Exhibition 展覧会情報
大山純平「ディストピアの住人たち」

大山 純平「 ディストピアの住人たち 」
2015年11月24日(火) 〜 12月5日(土)
13:00〜19:00 日・月曜 休み 最終日は17:00まで

作家ステートメント

写真には、みんなが持っている生きることへの意気込みがない。写真は、他の人間から切り離されているような気持ちがする。世の中が怖い。写真が夢見る世界は自分自身も含めた人間すべての消えた清潔な世界だ。人間のいない世界。彼らは笑っている。危険にさらされたとき、彼らはいつでも笑うのだ。写真がある限り、何も怖くはない。怖いと思ったときのことはほとんど忘れてしまった。写真がなかった頃はいつもどれほどさびしく孤独な気持ちだったか、もうほとんど覚えていない。写真は彼らに不可欠なものなのだ。写真がなかったら、彼らは正常な生活を送ることができないだろうし、彼らの人生は悲惨の極みとなっていただろう。しかし、写真のおかげで、彼らは誠実で、精力的で、聡明で、友好的だ。彼らは、一般の人が抱いている麻薬中毒患者の概念とは似ても似つかない。誰も彼らのことを不品行だとは言えないだろう。風が写真をゆさぶると、彼らの中でわずかに残ったものが残されている写真から本当にかすかな音が聞こえる。だが、本当は、彼らはまったく残っていない。彼らはいないのだ。彼らにあるのは写真だけ。考えたり笑ったり思い出したりすることはできない。彼らはもうどこにもいない。かつて彼らがいたところには何もない。

インフォメーション

大山純平ホームページの「Text」にて「擬人化した写真」連載中。
毎週月曜更新。
http://www.jumpeioyama.com/
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