Exhibition 展覧会情報

Room #202 #205
武蔵野美術大学大学院彫刻コース 矢部もなみ、髙田稚菜、何梓羽、齊藤美帆、郭之宇 東京藝術大学美術学部芸術学科(美学研究室) 若杉泰地、渡辺武徳、優羽 「彫刻と対話法 Xl めくりなさい(後期)」
2025年07月24日 〜2025年08月09日
日曜・月曜休み 13:00~19:00
トークイベント
8月2日(土)15:00〜16:30 (Live配信のみとなります)
登壇:高嶋晋一
詳細は武蔵野美術大学彫刻学科研究室ホームページ・Instagram、武蔵野美術大学大学院彫刻コースInstagramにて、告知いたします。
前期展覧会情報
会場:HIGURE17-15cas 東京都荒川区西日暮里3-17-15
会期:2025年7月13日(日)ー7月30日(水)
武蔵野美術大学-田中優里、矢野修平、念念、大塚珠生、小原華代
東京藝術大学-ごんぞう、増田素響、光、行木ことは
主催-武蔵野美術大学彫刻学科研究室
企画-武蔵野美術大学大学院彫刻コース+東京藝術大学美術学部芸術学科(美学研究室)
武蔵野美術大学 大学院彫刻コース1.2年 Instagram
https://www.instagram.com/mau_scp.master/
Overview
武蔵野美術大学大学院彫刻コースと東京藝術大学美術学部芸術学科(美学研究室)が協働し、HIGURE 17-15 cas と The White の協力のもと、「彫刻と対話法 XI『めくりなさい』」を開催する。
両大学の学生二、三名でグループを組み、つくり手(彫刻)と書き手(芸術学)の視線を交差させながら新たな表現のかたちを模索する。グループは対話を通じて一つの指示書を制作する。その指示書は別のグループに手渡され、受け取った側はさらに対話と解釈を重ね、そこから成果物をつくりあげていく。
展覧会タイトル「めくりなさい」は、この制作過程に由来する。命令調の語り口は、指示書そのものを想起させる。他者の言葉に導かれ、思考がめぐり、手が動き始める。「めくりなさい」はその瞬間を告げる小さな始まりの言葉である。
制作の出発点である指示書と、それに応じて生まれた成果物が展示される本展は、他者の言葉に触れながら、自らの視点をひらいていく過程を辿る試みである。
本展は HIGURE 17-15 cas と The White の二会場にて会期をずらして開催される。
空間と時間のずれは、指示書を介した言葉の受け渡しと、それに応答する作品によって結びつき、交差する視線が時空のゆらぎのなかに浮かび上がる。
ぜひ会場で、誰かの言葉がめぐり、ほかの誰かの手を経てかたちとなってあなたへ届くというつながりを感じてもらいたい。
Biography
優羽 YU
2006 年生まれ。実家は中華料理屋です。(略歴)
2006 年生まれ。2024 年東京藝術大学美術学部芸術学科に入学。
郭 之宇 Guo Zhiyu
私はプロダクトデザインを専攻し、学部を卒業しました。コロナ禍をきっかけに、人間と非人間の関係を見直し、「脱人間中心主義」の視点からバクテリアや菌糸体などのバイオ素材を用いた表現に取り組んでいます。今回の共同制作では、視点を身体に戻し、食べるという行為や感覚的体験、対話を通して、食に潜む文化的アイデンティティや記憶、習慣との関係を探りました。体験を通じて、人と食の複雑で繊細なつながりを見つめ直していきたいと思います。(略歴)
郭之宇(カク シウ)1997 年中国湖南省生まれ。
武蔵野美術大学大学院 造形研究科 彫刻コース修士課程在籍。
主な展示に、
2018/5 「身体造型」グループ展
2021/5/15~5/22 卒業制作展示
2024/6/18~6/22 「バナダイム」グループ展
2024/11/18~11/23 「linguistic gymnastic」グループ展
若杉泰地 Wakasugi Taichi
美大という環境に身を置きながら、現代の美術や思想に対して一定の距離を取る姿勢を示す。造形表現へ憧れと劣等感を抱きつつも、文章という形式を通してこそ妥協なき思考を最も純粋に、忠実にかたちにできるのではないかという思いが表現の核を成している。(略歴)
2004 年埼玉県生まれ。2024 年東京芸術大学入学
2025 年東京芸術大学美術学部芸術学科2年
矢部もなみ Monami YABE
矢部もなみは、木という素材との対話を通して、幼少期の記憶や感覚の残響をかたちにする彫刻家である。削る、刻むといった行為に身体を深く関与させながら、記憶の奥底に眠る風景や感情を掘り起こす造形を行う。その作品は、見る者に静かな気配と時間の蓄積を感じさせ、個と他者、過去と現在のあわいに立ち現れる存在を探求している。(略歴)
矢部もなみ(やべ もなみ)は 2000 年生まれ。幼少期をフランス・グルノーブルで過ごし、現在は武蔵野美術大学 造形研究科 彫刻コース修士課程在籍。木彫を通して記憶や感覚の痕跡をかたちにする表現を探求している。
日本文化藝術奨学金(2024 年)を受賞。主な展示に個展「あの森への道標」(8cho8ma ギャラリー)、グループ展「KUMA experiment 2024–25」などがある。
高田稚菜 Wakana Takata
高田稚菜は、「曖昧さ」や偶発的な出会いを受け入れ、思考の流れに身を委ねながら生まれる造形に魅力を見出す。作品には肉体性が強く伴い、見る者の感覚や意識に直接触れるような体験を生み出す。また、触れる・感じるという行為を通して、自他の境界を問い直すような彫刻表現を追求している。(略歴)
高田稚菜(たかた わかな)は 2001 年東京都生まれ。武蔵野美術大学大学院 造形研究科 彫刻コース修士課程在籍。曖昧さや偶発性を取り入れた身体的な彫刻表現を追求し、感覚や意識に触れる体験を提示する。主な展示に「移動する視点、通路の彫刻」(メトロ銀座ギャラリー)、「linguistic gymnastic」、「大 FRP 展」(武蔵野美術大学)などがある。
カイ・ダンカン Kai Duncan
「何にもならなかったものを、理由もなく集めている。それが作品になるのかどうかも分からないまま、ただ手を動かす。
意味や役割の外側で、かたちが静かに立ち上がる瞬間。世界の隙間にふれるような、時間がずれるような、ほんの一瞬だけ信じられる感覚のために、カイ・ダンカンは今日も「何でもないもの」を組み立てている。
(略歴)
2001 年静岡県生まれ。メルボルンで木工と模型製作を学んだ後、武蔵野美術大学彫刻学科に入学。
2025 年より東京藝術大学大学院立体表現専攻に在籍。東京と静岡を拠点に活動。
渡邉武徳 Watanabe Takenori
専門は美学、日本戦後美術(略歴)
2001 静岡県に生まれる
2025 埼玉大学教養学部教養学科哲学歴史専攻 卒業
2025 東京藝術大学大学院研究科芸術学専攻 在籍